直接来局の方、あるいは電話のお問合せで、漢方薬販売をお断りした事例集

2006年 04月 07日 の記事 (1件)


ドグマチールなどの精神安定剤によって安定していた強迫神経症の患者さん。

せっかく調子よかったのに心療内科で開業されている主治医が、保険漢方に切り替えられた。

現在の主訴は口内の苦味であるが、温清飲エキスを出され3日服用したら却って苦味が増し、不安感や動悸もひどくなる。

効かない漢方薬をもらってもしようがないので、漢方専門のところで治して欲しいとの依頼である。

数年前もお断りしたことのある患者さんである。

あることが気になって、気になってもしようがないし病気ではないと意識では分っていても、不安で確かめられずにはおれないという、ひどい強迫観念に迫られ続けている。

このような方に一旦、漢方薬をお出ししようものなら、不安を訴えて毎日のように電話がかかってくるのに決まっているので、その当時もお断りして、心療内科や精神科に行かれて、適切な安定剤を処方してもらうようにアドバイスしていたのだった。

当時のアドバイスに従って、心療内科でもらう上述のような安定剤類でおだやかに推移していたのに、途中から中断されて、苓桂朮甘湯など様々に漢方薬を変えてもらっているが、却って強迫神経症状が増大してしまい、同じ漢方を貰うのなら専門家のところで、と思われたという。

しかも、心療内科の先生は、敢えて医療用漢方だけに切りかえれらたのは、漢方の勉強をする為に自分を実験台にしている節が、無きにしも非ずということで怪訝がるのであった。

しかしながら、当方とてこのような方に一旦、漢方薬をお出ししたらどうなるか、毎日お電話攻めにするおつもりではないか、とはっきりと質問したところ、やはり「無きにしも非ず」と言うことであるから、やはりお断りせざるを得ないことをはっきりと伝える。

貴女はドグマチールなどの医薬品で安定していたのだから、もとの調子よかった処方に戻して下さるよう、主治医に相談すべきである、とアドバイスしたところ、大変よいことをアドバイス頂きましたと、嬉々として帰宅されたのであった。
2006 04/07 14:35:41 | お断りの事例
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