今日、Tちゃん宅に指導のために行ったら、Tちゃんがすごく落ち込んでいました。
そして、家の中がやたらひっそりしていました。
…また何かあったんか。
私、介入できんのに、あまりいろいろあって欲しくないんですが。

理由はすぐにわかりました。
いつも私が行くと玄関で迎えてくれるミニチュアプードルの「バニラ」が、今日は来てくれなかったんです。
まだ年若い部類の犬だと聞いていたけど、何かあって天に召された？と、まず思いました。
それは悲しいです。私も。
でも、それなら励ましてあげようと思いました。

しかし、違いました。
私は恐る恐る「バニラはおらんの？」と聞きました。
今までもペットホテルや美容院などに行ってて、いないことはあったので。
でも、ホテル滞在中ではありませんでした。
亡くなったのとも違いました。
だけど、いなくなりました…なんだかなぁ。

バニラは去年のTちゃんの誕生日、お父さんが奮発して買ってくれた犬だと聞いていました。
Tちゃんも妹も弟も、それはそれはバニラをかわいがり、忙しい中で一生懸命お世話をしていました。
ところが秋に継母を迎えてから事情は一変。
どうも継母が、犬嫌いのようでした。
家政婦として家に出入りしていた頃はまだ許せたけど、家族になったんだから嫌いな生き物とは暮らしたくない、と常々言っていたようです。

だからそのうち、バニラを人に譲らなきゃならない日が来る、その覚悟はTちゃんはしていたようです。
それなのによりによって、Tちゃんが学校に行っている間に、バニラはペットショップに売られていたらしいのです。
売ってしまったのはバニラを買ってきたお父さん、だそうで。

Tちゃんは言いました。
人に譲ったのなら、その人の家に時々行ったり、写真を送ってもらったりすることができたと思う。
でも売られてしまったら、もう絶対に会うことはできない。
きっとお父さんが、ラブラブの継母の言いなりになって、私の留守を狙って売りに行ったんだ…ひどすぎる。

そりゃ、ひどすぎる。
家庭の事情はいろいろあるにせよ、どうしても売るにしてもせめてTちゃんに一言相談をするべきでしょう。
まあ、そうなれば反対するのがわかっていたから、こっそり売ったんだと思いますが…それにしてもねぇ。
ただでさえ大人の身勝手でTちゃんは傷つきまくっています。
私ならグレますよ。
裕福な家中から大金をかき集めて、旅に出るでしょう。

それをやらないTちゃんは本当にけなげな偉い子です。
妹と弟はまだ幼いので、悪く言えば継母に完全に取り込まれており、ママが犬嫌いなら仕方ないね、と言っていますが、Tちゃんだけはどうにも許しがたいようで「2人ともなんかおかしい。あんなの私のママじゃない！」と完全に怒っています。
自分じゃなく、子供の気持ちをまず考えるのがママであるなら、Tちゃんの言うとおりですね。

だけど「犬嫌い」ってどうなんでしょうね。
小さい頃から動物が大好きで、完全にTちゃん寄りである私には、その気持ちが全くわからないのでした。
バニラ、私にもなついてくれてかわいかったのになぁ…残念。
私が悲しがっても仕方ないですが、残念です。

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