私ひとりだけが楽しいブログ

2011年 11月 16日 の記事 (1件)


今日は安芸郡熊野町までお出かけしてきました!

熊野町は筆の産地として世界的に有名です。
先だって、国民栄誉賞を受賞した「なでしこジャパン」への記念品として熊野町の化粧筆が選ばれ、贈られました。
そんな熊野町の「筆の里工房」に行ってきたのです。

筆をテーマにした博物館です。
筆の全国生産の約80%が、熊野町で作られています。

しかし私が見たかったのは筆の展示よりも企画展示のこれ。

「子規と漱石展」です。
残念ながら中は一切撮影禁止。
左側の集団は、小学生の社会見学です。
平日に来るとこういう場面にも出くわしますね。
子規の原稿の大半が筆で書かれていることに関連した企画展示なのか…意図はよくわかりませんが、見ごたえのある展示でした。

正岡子規は、高校生の頃から今に至るまで、ずっと好きです。
最初は「坂の上の雲」「野球」「松山」が好きなことがきっかけで子規の俳句を鑑賞し始めたんですが、俳句など全く理解していないクソガキの私にも、子規の世界観はうまくシンクロしてきました。
芭蕉の作品にケチをつけることで俳句界に登場した子規の作品は、簡潔で写実的でわかりやすく、それでいて素人には絶対に表現できない深さがあるのです。
わがままでおおらかな人格も作品に出ちゃってますが、そんなところも私には最高でした。
なんか語ってますねコイツは(笑)。

でも大げさではなく、日本語っていいな、国語の道を目指したいな…と私が思ったきっかけのひとつは子規なのです。
大学時代に同じゼミにいたアメリカ人留学生が、日本文学をたしなみたいと言うので、私はつたない英語を用いて漱石の小説などを、その人と一緒に翻訳したりしました。
その人がかなり日本語が達者だったので助かりました(笑)。

しかし、小説は頑張ればなんとか内容を伝えられるけど、大好きな子規の俳句はどう頑張っても無理だったのでした。
アメリカには「五七五」の概念がないのです。
英語の詩には「押韻」はありますが、「五七五」だの字余り字足らずだの、季語入れろだの、そういう説明を試みたところでやっぱり単なる「詩」としか理解してもらえませんでした。
その時に私は、自分の説明がスカポンだったことを棚に上げ、次のような自己中判断をしたのでした。

日本語が、俳句が深すぎるせいでわかってもらえないのだ。
日本語のニュアンスってなんて繊細で素晴らしいんだ。

…この勘違いのような思いを持ち続け、今に至る私。
いや、自分がスカポンだったことは認めますよ。
英語は得意じゃないし。
だけど英語も日本語もペラペラで、俳句の概念もちゃんと理解してる人が、異国の方に五七五を完璧に説明できるかというとそれはできんような気がするのです。
子規さん偉い!なのです。
日本語すごい!なのです。

子規の世界をたっぷりと堪能した後、せっかく熊野に来たんだし化粧筆でも買おうかと思いました。
そして、せっかくだから、なでしこジャパンとお揃いのやつが欲しいと思いました。
なんと、注文殺到で在庫なし、だそうな。
しかもフルセットが4万円弱…無理だ。
ダイソーの化粧筆愛用の私には、雲の上の存在でした。
いいんだ。
子規さんの筆も、安物まとめ買いだったらしいから。
そういう問題か?

今日のおすすめ★筆の里工房

常設の展示も面白かったので、また行ってみようと思います。
2011 11/16 23:59:56 | おでかけ | Comment(0)
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