直接来局の方、あるいは電話のお問合せで、漢方薬販売をお断りした事例集
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本日の話。

主訴は何年来の頭痛の女性。

先ほど病院からの帰りで、脳神経外科で異常は認められないが、お薬を出そうと言われたのを、六ヶ月の赤ちゃんに授乳中だからとお断りして、人に紹介されてやって来られたとのこと。

慢性頭痛は、漢方の得意とするところだから、遅かれ早かれ治るだろうが、一発で即効性が出るとは限らないこと、しっかりと、漢方処方のピントが合わないと、効力も劣ること等を説明すると、

「飲みにくいんですか?」

と、唐突な質問。

これには、何ともお答えしようも無く、同じ漢方薬でも、人それぞれに感じ方が違うこと、切羽詰まって、漢方薬以外には方法がない、と観念して来られる人には、飲みにくいも、飲み易いも、関係ないみたいですがネ、と小生。

結局、ご夫婦赤ちゃん2人の四人連れで、わざわざやって来られた訳だが、値段的には、最初に10日分、2,500円前後はかかることを告げると、早々に退散されたのであった。
2005 10/05 17:40:43 | 漢方のお茶でもどうぞ
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病院治療では、一向に改善に向かわない子供さんのアトピーの事例で、遠方からわざわざご夫婦で、アトピーの子供さんを連れて来られた。

先日も、述べたように、多くの子供さんはお断りしているが、熱意に負けて、漢方薬をお出ししたものの、全然効かなかったはずの病院から出されていた漢方処方「白虎加人参湯エキス顆粒」を、隠れて服用していたために、配合バランスが台無しになって、途中から、漢方薬販売をお断りした事例である。

当方からの漢方薬類を始めても、一向に効力を示さず、頭をひねり続けては、苦労に苦労を重ねているところへ、効かなかったはずの保険漢方「白虎加人参湯」を、ずっと続けていることが発覚したので、効かなかった漢方薬こそ、一時やめていて欲しい、とお願いするも、保険が利いて安いし、漢方薬だから大丈夫じゃないか、と反論して、一向に聞き入れてくれないご両親なのであった。

事を分けて説明し、配合バランスが台無しになる。

熱証タイプの人に、朝鮮人参の配合は、まずいから、と何度説得しても、頑として承知してくれない。
また、中医学で言う湿邪も強いので、滋潤作用の強い白虎加人参湯は、邪魔にこそなれ、絶対に役には立たない、との説明でも、納得されない。

しかも、この漢方薬方剤の服用中ことを、半年以上も隠されていたのであった。

ここには、漢方薬なら効かないまでも、服用を続けていても、損は無い、といった変な思い込みがあるようである。

話し合っても、まったく無駄という、典型的な事例でもあった。

仕方ナシに、一切、当方からの漢方薬販売は、完全に中止し、白虎加人参湯を出されている病院に、即刻戻られるように勧告して、お別れする。

やはり、頑固な方というのは、気苦労ばかり多く、最終的には、このような、ひどい無力感に襲われることばかりである。

最初の電話での問い合わせや、直接面談時にも、相当慎重にチェックしたつもりでも、最終的な結果が、このようであったのは、残念この上ないことであった。
2005 10/01 16:02:07 | 途中からお断りの事例
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当方の薬局では、子供さんは殆どお断りしている。

何と冷たい漢方薬局だろう!?

実際には、子供さんのご両親が先に当方の漢方を愛用され、信頼を得られた場合には、そのご家庭の子供さんにも、依頼されれば、例外なく、適切な漢方薬を販売している。

問題は、初めて子供さんを連れてこられた場合である。

開店当初から10年くらいは、それでも積極的に、ご相談に乗り、多くの子供さんに漢方薬の素晴らしさを味わってもらったものであるが、その頃から、突然のように、お断りすることが断然多くなった。

なぜか?

親御さんのマナーの悪さ、親子での聞き分けの無さ、などが、その頃から極端に感じるケースが増えたからである。

無駄な時間を奪われるし、親子の我儘(わがまま)に絶えられなくなったのが事実である。

そんな! 我儘なのは、当の漢方薬局の薬剤師ではないか、と言われれば、半分は、その通り。

否定するつもりは毛頭ない。

然しね〜〜ェ、こちらだって生身の人間です。

やわな人間だけに、出来もそれほどよくない人間だから、現代人特有の、客だから何を要求してもイイ、という態度、マナーのなさ、病人をかかえているという無意識の特権意識。

これらに耐えられなくなった。

あれに耐えていると、こちらがノイローゼになりそうである。

その頃から、大人になってからなら、いくらでもご相談に乗りますから、子供さんの頃は、まだまだ西洋医学で充分に治せるものですから、どうぞ、現在通院中の病院で、思わしくないのでしたら、他にもきっといい病院がありますから、といって、時には適切な病院をアドバイスしてでも、上手に逃げを打つことだって珍しくない。

とりわけ、昨今のように、成人の方たちの難病ばかりのご相談が増え続ければ、なおさらである。

ただ、最初にも書いたように、先にご両親が、当方の漢方薬に信頼を置いて下さった場合には、別である。

だから、一家全員が、当方の漢方薬の愛用者、というご家庭もかなり多い。

本音を言えば、現実は、このようなものなのだ。

上記の当方の逃げ口上に、一旦はあきらめられた方も、成人されてから、本腰を入れて来局され、熱心に漢方を続けられたケースは、意外に多いのだから、世の中は、まったく奇縁である。
2005 09/26 22:26:30 | お断りの事例
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前回述べた出直しの、典型的な事例。

急性リウマチで高熱を発し、全身浮腫、特に下半身がひどい。

全関節の疼痛とともに、38度5分、病院で消炎鎮痛剤などが出るも、ステロイド剤は、まだ出されていない。

病院の帰りに、知り合いから紹介されて、我が方の漢方薬治療を求めて来局。

病院治療と同時に漢方を始めると、どちらがどう効いたのか、判定が出来なくなるので、今は漢方薬は使用しないほうが良い。

病院治療の結果を、充分に見届けてから、それでも思わしくなければ、その時にいらっしゃい、ということで、お帰り頂いた。

さぞや、肩透かしで、お気の毒ではあったが、止むを得ない。

病院治療を充分に行なわないうちに、漢方薬を出す訳には行かない。

それが、当方の薬局の方針である。

そのまま、永久にご縁が無くなることも多いが、この方は違った。

一週間後にやって来られ、病院治療により、疼痛は軽減し、発熱も、微熱程度におさまったが、浮腫が一向にとれない、ということで、イチイチの報告も、的確で、観察力もおありだし、理解力もまずまず。

それでは、ということで、必ず病院治療もこれまで通り、続けながら漢方薬治療を行なうこと。

そうすれば、漢方薬が加わることによって、配合のピントがあっていればいるほど、治癒機転が促進されることが、実感されるはずだから、よく観察されておくように、ということで、弁証論治に基づく、適切と思われる漢方薬製剤を2種類組み合わせてお出しする。

その後、大変順調に回復され、月日が大分たって白状されるには、あのまま、病院には行かず、漢方薬治療だけで、この通り、お陰さまで、ということであった。

あれから、10年近くもなるが、すでにリウマチ用の漢方薬錠剤も不要となり、思い出したように、貧血用の製品を買い求めに来られるが、一応の根治的な状態が、5年以上続いている。

このように、一旦は、お引取り願った場合でも、ご自分の疾患の、しっかりした認識と、漢方治療に対する決意の表明があれば、病院治療とのタイミングを見計らって、ご希望に添えることも多いのである。

やはり、タイミングとともに、ご本人の自覚、漢方治療に対する強い決意次第ということも、ご縁ができるか、出来ないかの分かれ目なのであった。

ことほどさように、小生は気難しい漢方薬局を経営しているのかもしれない。

石橋を叩くのは、患者さん以上に、こちらの方かもしれないのである。

だから、日頃から、お気楽に相談してもらっては困る、などと、常に逆説的な表現をせずにはおれない、トウヘンボク薬剤師では、あるのかも。
2005 09/23 21:43:10 | お断りした後に再来局例
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尤(もっと)もな理由から一度はお断りしても、あらためて、出直されて来る様々なケースがあるのも事実です。

そういう中でも、完全にお断りした、というのではなく、病院に諸検査の後、診断が下った後に、病院から貰った薬を持って、その足で、そのまま小生の薬局へ、やって来られるケースも、ままあるわけで・・・。

まず、この場合は、病院の治療薬の服用による経過を充分にみて、それでも不充分だったり、効果が無い、あるいは副作用が出るまど、そういう場合には、もう一度、ご相談に乗りますが、今回は、漢方薬はお出しできません、ということで、いったんはお断りすることになる。

そういった実例は、おいおい、もっと具体的に報告することが、きっとあると思う。
2005 09/22 23:13:27 | お断りした後に再来局例
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御自分が当方の漢方薬で半年で、かなり調子がよくなったからと、近所の方に勧めているが、名前を間違って他所の薬局に行ってしまったという。

是非、こちらに来るように、勧めていると言われるので、余計なお節介は、止めておきなさいよ、と強く言う。

嫌がってる証拠なのだから、こちらとてイヤイヤ来られたって、アリガタメイワクだから、ご自分のことだけ考えて、他の人のことまで、世話を焼かないように、とアドバイス。

本日あった話だが、ここ三日、明日の休みがあるためか、超多忙につき・・・・・と書いている最中に少し遠方の常連さんのご相談の電話があってこの・・・の間、書くのを中断していた。
来週明けにはうかがいますとのこと。

ああっ!それにしてもこの3日、疲れにツカレタ。

「疲労が疲れた」などという言語矛盾の表現も、こんな時に使いたくなる言葉ダネ。
2005 09/22 17:23:32 | お断りの事例
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お行儀の悪い人が多いからである。

お断りすることが多い、もう一つの理由がこれである。

マナーの悪い人に、多忙で貴重な時間を奪われるほど、不愉快なことは無い。

だから、このブログでは、自分の漢方の腕自慢なんかするよりも、お断りした事例ばかりを羅列すれば、逆に浮かび上がって来るものも、多いはずである。

小生は、かなりな変人であるとの自覚はあるが、難病を抱えた常連さんや、大の漢方ファンのおなじみさんたちとは、戦前の古きよき時代を思わせるほど、実に和気藹々(わきあいあい)で、思う存分腕を振るうことが出来るのだ。

ところが、マナーが悪い、お行儀の悪い方というのは、この難しい漢方医学、中医学理論に基づくアドバイスをしようにも、不快感が先にたって、考える気力すら失せるのだ。

そんな横着者が、漢方薬局などするな、という人がいれば、何の分際で、アナタこそ、そんな不遜なことが言えるのか、と大反論するだろう。

いかに神経を使い、心身ともに、どれだけ消耗する仕事であるか、貴方達は知らないから、言えるのだ、と反論するだろう。

それほど、真の東洋医学、とりわけ弁証論治の中医・中草薬学というものは、ネット通販で簡単にピントが合わせられるほど、イージーなものでないのである。

だから、よく、漢方薬局のお誘い文句にあるような、

どうぞ、お気軽にご相談下さい、などとは、小生の薬局では絶対に言わないし、そんな気楽な宣伝文句は使わない。

お気楽に相談されてはかなわない!

こちらは真剣勝負で頑張っているのに、気楽に出来るような相談なら、きっと軽症の病人さんだろうから、漢方薬を飲む必要はアリマセン!と断じてしまうだろう。

小生の大嫌いな、常套句、それが、上記の、

お気軽にご相談下さい!

という、常套句なのである。 
2005 09/21 23:11:00 | お断りの事例
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ちょうど昼、他のスタッフは食事に行っていない時間帯。

常連さんたち何人もの漢方薬類を用意するのに、一人オオワラワのところへ、タイトルの事例。

友人らしき人と同伴で来局。

「病院には行って見られましたか?」と私。

「いえ、まだ行っていません。」

「それでは、先に病院に行ってください。漢方薬を考えるのは、それからでも遅くはありません。西洋医学的な診断をあおぐべきです。必要なら、西洋医学治療も充分に受けてからのことにして下さい。」

まるで、ハトが豆鉄砲・・・・といった表情をなさって、退散される。
2005 09/21 19:38:10 | お断りの事例
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