男たちには判らない

2007年 06月 07日 の記事 (1件)


大分県の由布市から耶馬渓方面に抜けることにしました。谷合にはいくつも古い村があり、どこを通っても面白い風景が広がります。
また山間の道に咲く名も無き季節の花が、旅人の心を慰めてくれます。例年この時期に九州の山中に咲く白い小さな花を沢山つけたこの植物には、近づいてみると小昆虫が群がっているのが分かるでしょうか。
画面左側下の緑色の“ブローチ”はコアオハナムグリです。

不思議な風景、これはダムの人造湖が流入する土で埋まりかかったので浚渫しているところでしょうか。

のどかに草を食む牛の群れ。日出生(ひじゅう)台という自衛隊の演習地です。人間はもちろん立ち入り禁止。歴史は古く明治期から陸軍の管轄です。

ここで進路を変えさらに高台へ。こういう風景、見慣れていますが好きです。

峠の上から。大分の風景、山の姿には熊本や鹿児島のような男性的雄渾さはありませんが、反面そこがほっとする所があります。「帰ってきたぞ〜」って。

平凡なシーン。上空からみると棚田です。もうすぐ田植えですね。護岸の石積みなど注目もしませんが、江戸やもっと先史からの百姓の営みの積み重ねです。

院内地方に多い石の眼鏡橋。僕の心の世界遺産。

杉の巨木2本に見とれて車を停めました。藤群(ふじむら)神社とありました。推定樹齢400年。長寿は何であれ有り難いことです。
社殿を丁度修復中で、地に置かれた建材が分かるでしょうか。
一人の大工がもくもくと作業中で、鋸引かれた杉材の香りが境内に漂っていました。江戸も昭和も平成も、ずっと昔からこの風景は変わらない。


耶馬渓に出ました。柱状摂理など火山岩が奇怪な様相をあちこちに飛び出させて、道行く人の眼を驚かさせてくれます。
秋の紅葉と春の新緑と、シーズンのドライブは楽しいです。

今回の小発見。この木造の建物はもしかしたら貴重な戦前建築のホテルかもしれません。ベランダで布団を干しているので営業中とわかります。

深耶馬渓鴫良(しぎら)にて。右に向かえば柿坂、山国川方面へ。左に曲がると豊後森。このあとは右に曲がって耶馬渓ダムの湖畔で洒落たレストランを見つけお昼を取りました。
高校時代に工事中のダム付近で乗っていたバイクのチェーンが切れて4キロ以上押し、柿坂の町で修理工場を捜して、さらに日曜日で工員がおらず事情を話し開けてもらった工場で自分で修理した思い出があります。
いま思えば若い日の苦い経験、あの日の苦闘の跡も今は湖の下です。

湖面から入ってくる爽やかな風に一瞬、おだやかな夏の表情を見た気がしました。
2007 06/07 03:14:01 | 旅日記 | Comment(0)
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