中国地方の山間部には様々な表情の中小都市がある。
新見も岡山県下の交通の要所だ。
そこから出ている(正確には備中神代)芸備線は175kmの
総延長を持つ長いローカル線だ。かつては急行「たいしゃく」
や松江から木次線を通って広島に向かう「ちどり」といった
名列車が通った道も今はすべて普通列車となり、特に
東部区間の新見ー備後落合間の衰退が著しい。
山間部の東城ー落合間は一日なんと3往復と限界輸送の鉄道に
等しいが、この機会に岡山から新見を迂回して広島に行くことにした。
新見のホーム乗り換え案内
駅はやや大きい。急行停車駅の格だ。
伯備線の213系はここまで。向こうのキハ120が芸備線。
出発すると最初の駅がなんとあの布原。当時は信号場。
ニコンF2を添えて往時を懐かしんでみた。
芸備線区間に入る。風景はとたんに寂しくなる。
痩せた向日葵がうら悲しい。
使われなくなり長い時間の経った対向ホーム。(野地)
新見を出て30分で東城に着く。往年はここに急行「たいしゃく」が停車していた。
東城を出るといよいよ一日3本の区間。貴重な列車にいま
乗っている。やはり道が細くなったように速度が落ちる。
峠に向かって走る。キハ120は窓が開かないが木の枝が窓に
ばんばん当たる。保線も限界に近いのだろう。国鉄時代では
考えられない。