広島の路面電車には、大阪市(S44年廃止)、神戸市(44年廃止)、
京都市(53年廃止)、福岡市(50年廃止)など、西日本の主要な
都市を走っていた路面電車が路線廃止後、次々と転入し、広電
の体質近代化に貢献しました。
普通は転籍車両は元の路線の車体色のままだと「お古」と
分かり嫌われるので塗色を塗り替えるのですが、広電は
大量に入線したこともあり経費が嵩むので、番号変更のみで
元のカラーを残しました。
これが返って路面電車を廃止してもう見られない都市の住民
から「懐かしい」と好評で定着しました。
もう神戸と福岡の電車は廃車が進み見られませんが、大阪と
京都の電車は2009年夏の時点でもまだ活躍する姿が見られます。
もう大阪で働いた時間より広島で走っている時間の方がよほど
長いのですが、「元大阪」と「元京都」の市電は不思議な旅情を
くゆらせて今日も広島の町を走っているのです。