男たちには判らない

2011年 01月 の記事 (2件)

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とつぜんですが、近松門左衛門のことを調べに、今日は尼崎に来ております。
同行はこの休日に、小生宅を訪問したので、急遽門人のように
着いて来てくれることになったぽち君です。



カーナビを頼りに辿り着いた所が、尼崎市久々知という所。
この一帯は尼の中心から外れた、山手幹線と五合橋線の交差
する国鉄の塚口駅から少し行った、旧田園地区でした。
周囲はこんな感じで、風呂屋の煙突に「新近松温泉」の文字が
見えます。


この近くに、広済寺という寺の中に墓所があり。現在はその隣
に近松記念館があるというので訪ねました。
それもこれも、2月に曾根崎心中のことでパネリストを引き
受けることになり、本日は下見と近松のお墓に挨拶にきました。



この背景の森が広済寺です。



この民家の塀には、こんな看板が!。このあたり、別に地名が
近松村でもありませんが、これには地下の近松も苦笑してそうです。



風呂屋に名前を付けた新近松温泉。「新」が「新諸国物語」
みたいですね。(あれは西鶴)

近松の里は静かな所で、他に見る所は少なく、私の家の近所の
池田にある伊居太神社と同じ名前の神社がありました。
こちらは「いこた神社」と読むようです。

さて探訪も短く終わってしまったので、ぽち君のススメで同じ
尼にある出屋敷に昔遊郭があって面白いというので、そっちに向かいました。



途中こんな建物や、



こんな船のような小学校

そして着いた所には、いきなりこんな超シブい大衆
喫茶がありました。



その隣から続いている商店街を見ました。これが入り口。




そしてなかはこうです。




これは凄い。殆ど時間が止まっています。
空いているお店も1、2軒でしたが、看板に
出ているお風呂屋さんは残っていました。



案外新しい外観です。



通りの裏側から見るとまたいい感じ。



路地って、良いものです。誰も見直さないけど
縁があればこういう所を訪ねてみたい。

通り抜けるとそこは阪神電車の出屋敷駅前でした。
ここには昔大衆演芸場が残っていて、無料券を
もらって、原田ヒロシという歌手の演芸ショー
を見たことを思い出しました。もう15年くらい
昔のことです。



そう、これが懐かしい天満座の跡です。
もうすっかり跡は無いものと思っていましたが
未だに残っていました。この中でおでんに熱燗の酒
飲みながら、演芸ショーを見たなあ。



このあと、少し出屋敷情緒を去り難く、近所にあった
ジャパンという昭和な喫茶店で小一時間、ぽち君と
世相談義。大人の男にはこういう時間が必要です。

この一帯は風呂屋さんが今でも多く、もうちょっと
暖かくなったら、軽自動車に乗って風呂屋さん巡りも
いいね!と思いました。

おまけ。

箕面の地ビールです。これがうまい。
ナンバのバー、キタヤマでよく飲んでいましたが、
土曜日に娘を箕面のピアノ教室に送って行き、近所で
ついに工場と直売所を発見しました。



今度はケース買いして、池田の家ではこれを飲んで
いようかな。
2011 01/24 06:23:20 | 都市風景 | Comment(0)
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あけましておめでとうございます。

昨年の暮れに、行った広島県三原市の糸崎という町の紹介をします。
この町には、大昔、鉄道の機関区があったり、興味を引く歴史がいくつも
あり、いつも通過する度に気になっていました。

今回の帰省でなく広島訪問はずっと在来線を使い、乗り換えの直前に
思いきってこの駅で降りて町を歩きました。
すると古い旧の湊の回りに思いもかけない歴史の痕跡を多数発見しました。



この唐破風屋根の着いた玄関を残す建物は何でしょう。
この玄関はある方角を向いています。その視線の先は。



こうなって、湊に入ってくる船を見ているのです。
この町にはこんな風景も。





正体を明かすと、これらは多分元遊郭です。松浜と呼ばれたこの地区は
江戸時代くらいから栄えた、港町情緒のある色町であったようです。
多分昭和の30年代前半で、役目を終えたこの町は廃墟もあり、傷みは烈しく
文化財にもならないと思います。
訪れる人もない港町の元遊郭を見ていると、過ぎ去った日の男と女の
愛と涙の物語りが伝わってくるようです。

さて、山陽本線はこのあたり、尾道にも似た、山と海に挟まれた小都市の
風景が広がります。



国道の高架の下をくぐれば、目線より高い所に鉄道の路盤が。



山側に上がればこんなに暖かな蜜柑の取れそうな風景が広がっていました。



丘の斜面には、海の見える古い墓地がありました。
死後の世界は普段考えないのですが、こんな所にお墓があったらいいなあと
思いました。




坂道を降りていくと、昔から気になる建物がひとつあります。



糸崎の洋館、そう勝手に名付けて10年以上になります。

最初は、電車が駅に入る一瞬手前にこの建物の屋根を見つけたときは
ドキンとしました。



その後何度か確かめて、国道と海のあいだに建つこの建物に今は
住む人がいないことも判りました。
しかし取り壊されることもなく、また、荒れていくこともなく
この建物はいつか、再び住む持ち主が帰ってくるのをじっと、
待っているように思えました。

2011 01/05 00:40:06 | 都市風景 | Comment(0)
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