男たちには判らない

2011年 01月 05日 の記事 (1件)




あけましておめでとうございます。

昨年の暮れに、行った広島県三原市の糸崎という町の紹介をします。
この町には、大昔、鉄道の機関区があったり、興味を引く歴史がいくつも
あり、いつも通過する度に気になっていました。

今回の帰省でなく広島訪問はずっと在来線を使い、乗り換えの直前に
思いきってこの駅で降りて町を歩きました。
すると古い旧の湊の回りに思いもかけない歴史の痕跡を多数発見しました。



この唐破風屋根の着いた玄関を残す建物は何でしょう。
この玄関はある方角を向いています。その視線の先は。



こうなって、湊に入ってくる船を見ているのです。
この町にはこんな風景も。





正体を明かすと、これらは多分元遊郭です。松浜と呼ばれたこの地区は
江戸時代くらいから栄えた、港町情緒のある色町であったようです。
多分昭和の30年代前半で、役目を終えたこの町は廃墟もあり、傷みは烈しく
文化財にもならないと思います。
訪れる人もない港町の元遊郭を見ていると、過ぎ去った日の男と女の
愛と涙の物語りが伝わってくるようです。

さて、山陽本線はこのあたり、尾道にも似た、山と海に挟まれた小都市の
風景が広がります。



国道の高架の下をくぐれば、目線より高い所に鉄道の路盤が。



山側に上がればこんなに暖かな蜜柑の取れそうな風景が広がっていました。



丘の斜面には、海の見える古い墓地がありました。
死後の世界は普段考えないのですが、こんな所にお墓があったらいいなあと
思いました。




坂道を降りていくと、昔から気になる建物がひとつあります。



糸崎の洋館、そう勝手に名付けて10年以上になります。

最初は、電車が駅に入る一瞬手前にこの建物の屋根を見つけたときは
ドキンとしました。



その後何度か確かめて、国道と海のあいだに建つこの建物に今は
住む人がいないことも判りました。
しかし取り壊されることもなく、また、荒れていくこともなく
この建物はいつか、再び住む持ち主が帰ってくるのをじっと、
待っているように思えました。

2011 01/05 00:40:06 | 都市風景 | Comment(0)
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