男たちには判らない

2012年 02月 04日 の記事 (1件)


2012年1月29日 極寒

朝は荻窪から出発した。
前夜は西郊ロッジのご主人に荻窪とプリンス自動車のお話を伺った。
中央線沿線がまだ武蔵野の時代から、軍人の町になり、戦中派になじみの深い
中島航空機から富士重工(スバル)と富士精密(プリンス)が生まれたのである。



このガレージの2台隣には、なんとグロリアが寝ているのだよ。

(参考写真)


さて、首都高に乗るのに、高井戸に出ようとしたらご主人は「新宿に出た方が近いですよ」
と事も無げに言われる。ままに青梅街道を走って行くと高円寺中野と過ぎ、朝の新宿に
程なく出たので、本当に荻窪は都心に近いのに静かな町なので驚いた。



お台場には、個人エントリー車は朝の7時から8時の間に入るのがルール。
7時過ぎに荻窪を出て8時前には難なくお台場到着。結構私も首都高や東京を
走る回数が増えてきた。道に迷っていらいらすることもない。
会場周辺は早朝から、エントリー、非エントリーの2派が異様な空間を演出している。
エントリー車は、真面目くさった旧車、もしくは少数だが外国製の本物のクラシック。
非エントリー組は、ヤンジャンや、ヤンマガの漫画からそのまんま出て来たみたいな
落ちこぼれブルース、いや私は否定はしていないのだよ。むしろこれはエスノロジー
(民俗学)だと思っている、興味ある「標本」がたくさん集まって、そこら中を旋回
してたり、朝から爆音を鵞鳴り上げている。
こういうときにそっちに反応する人も多くて面白い。
「まあ、ええんじゃないの」と私も見に行きたいのだが、今年は寒くて、さらに
再入場が面倒くさい方式に変わったので、行きそびれてしまった。

一般入場前の時間帯は、会場の空気が澄んでいて、エントリーと関係者だけなので
挨拶がしやすい。
私もこの時間が一番好きだ。常連のあの車はは来ているか。面識は無くともお互い
人生まだ生きていて、好きな車に乗れている。これが新年の賀詞なのである。
だからニューイヤーミーティングなのであり、浪速からわざわざ走って参加する、
意義はそこに最大のポイントがあるといえよう。


今年も来ていた大阪ナンバーのワンオーナーのジャガーXJ6のシリーズ2モデル。
まだ三角窓の残っている時代の70年代後半あたりの車だ。
非常に当りの悪い個体の多かったシリーズ2を、ここまで維持するとは並大抵でないと思う。
一度ベテランオーナー氏にインタヴューしたら、「買った値段の数倍かけて、普通に走る
車にしあげた」と仰られた。その通りだと思う。「その後は楽ですよ」、頭が下がる。

私はイベントにエントリーしている車というのは、見てもらいたくて出しているのである
から、ナンバーを修正して消す必要はないと判断するので、そのままピックアップします。
必要が有る人はコメントいただければ修正します。


隣に124スパイダーがやってきた。この方も何度か会場で並んでいる。

これが2つ前のオールドタイマーに乗っていたサーブ99である。
一見非常に900の初期に似ているので、改名しただけかと思っていたが、実のところは
結構別のモデルのようで在る。
こういう、地味な、平凡な、(不人気な/笑、御免)すっぴんの輸入車を選んで乗り、
もちろん「ディーラー車」の誇りを矜持しつつ、乗るオーナーは、俺は漢(おとこ)
だと思う。我もそういう傾向が在る。「花の慶次」に出て来る漢というのは、そういう
野郎たちのことではないのか。



サーブ99の“たまらない”ところを、何パートかピックアップしておく。

今年気になったのは、いすゞフローリアンである。

この横浜ナンバーのグリーンの綺麗な個体は、記憶では10年以上前から来ている。
この車が、「だんだんと仲間を」集めてきて、今年は3台の花(フローリアン)が咲いた。
岩5ナンバーは前照灯が変形角2のオリジナルデザインに近い初期の後期モデルである。


ところで、東北には昔はフローリアンがたくさん走っていた。なぜだろう。
駅前タクシーには非常に多くて、私は1981年に初の東北旅行をした時に考えた。

その答えは、天然ガス車よりディーゼルの方が、寒冷地では強いからでは、と
推理した。
その頃ディーゼルを日本で作っていたのはいすゞである。
鈍重で不格好なフローリアンタクシーが、そう思った瞬間、実に頼もしく思え、
一度学生旅行なのに乗ってみた。いやーこれだなー。それが「来ていた」のである。

構内タクシーの標章。「仙」は仙鉄局。日本国有鉄道仙台鉄道管理局の管轄駅に
乗り入れの可能な登録車両だ。


何か、当時物の補修ペイントとか、新聞や雑誌から構内タクシーの写真とか転載して
室内に並べておられました。こういうプレー(遊び)も有りなのが、このお台場の1日
なのである。変態プレーといったら失礼であろうが、根はコミケに近いものがある。

2012 02/04 04:34:17 | 日記
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