エッヘン

2005年 11月 17日 の記事 (1件)


脱線のメカニズムは単純なようで複雑です。
1. 完全な直線部であっても横揺れなしに走行する状態は考え難い。
横揺れの原因は,車輪とレールの隙間にあり,曲がるためには必要な隙間です。
2.ほぼ直線としても曲線部があり遠心力が働く。
 東海道新幹線は半径2500mが最小のカーブで,時速250km/hが限度と言われてきましたが,現在270km/hで運転されています。700系の新形車両の中央部7両に採用されているセミアクティブダンパーが揺れを少なくするのに働いています,次のN700系には全車両につけられる予定です。これは,カーブを車体の傾きを事前に1度程度つけてから侵入して曲がっている線路を感じさせない技術です。わずか1度の傾きのため,車両の外形を小さくしてトンネルなどの壁に当たらない車両としています。
2. 鉄道車両の車輪のフランジ部にはテーパーがついている。
4.長連結の貨車列車の走行中に曲線部においてせり上がり現象により脱線することがある。
鉄道車両は自動車の後輪のように左右別の回転数にしてカーブを曲がらないで,カント角度で内輪と外輪の径の差を作って曲がります。このためレールと車輪には左右にずれて径の差を作り,内外のレールの長さに合わせた車輪の径を使う必要があります。この左右のずれが振動を発生して乗り心地を悪くしたり,ひどくなると脱線します。
左右にずれることが,前後から複数の車両が押されると“く”の字状態になってせりががり脱線することにもな
ります。
  (連結中間の軽い車両が前後から押される状態で遠心力が働きせり上がって脱線する。)
5.阪神大震災の折に,阪神電車などで駅留めの電車,車両基地の電車でも脱線したものがある。
  (遠心力は働いていないと考えられる。)
阪神大震災では,駅留め車両の空気バネが破れたり,空気が抜けた車両が脱線しましたね。カント角度(レールの傾き)を付けた車輪は,停車状態でも車両を左右に揺さぶると片輪が持ち上がりフランジが線路を乗り越える現象が発生します。
PS:
ドイツのICE3は前後の動力車で走るので,中間車両が軽く脱線すると後方の動力車が押して脱線をひどくする
,ドイツの事故は車輪の外側が外れて脱線して橋げたにぶつかったのはこの構成が原因で,次世代には日本と同じ分散動力車とするようです。
電動車のモータは運動エネルギーが大きく,各車両の慣性エネルギーが高いので脱線しにくい説があります。
等々, 
2005 11/17 22:21:16 | 何故の解明 | Comment(0)
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