福知山線脱線事故の分析
1、 まえがき
事故直後にこの車両が転覆する速度として、JR西日本が鉄道総合技術研究所(東京)に依頼してはじき出した、133km/hという数字の根拠を調べ、最高時速120km/hの207系電車の脱線の原因を少しでも明らかにし、現在が安全かを考える。
2、 133km/hと発表した根拠
電車の重心は床面上30cmとすると、事故を起こした207系の床面高さはレール面から1.15mであるので。
車両の重心高さ hG=1.45m
軌間(線路幅) G=1.067m
実カント C=0.097m レールの左右の段差
曲線半径は R=304m
重力による加速度 g=9.8m/sec2
この条件を式(1)に入れると
転覆限界速度V=Vc×3.6=3.6×√((G/2hg+C/G)Rg)・・(1)式
=3.6×√((1.067/2×1.45+0.097/1.067)×304×9.8)=133.09km/h
133km/hとなる。
事故車両の最高速度は120km/hであるので脱線転覆は速度超過では無い判断する方向にニュース報道がなされた。
(先日の調査報告書では、117km/hが脱線転覆速度であり、規制速度の70km/hを40km/h以上 上回ったのが原因と全く違う結果を示唆しています。)
これは、車両の重心位置hGが乗客、車両の動きによって上下、左右にずれ最大速度以下で転覆する事を意味しています。
3、最大速度の120km/hで転覆する車両重心の高さを計算してみます。
120=3.6×√((1.067/2×hg+0.097/1.067)×304×9.8) hg=1.892m
床面がレールより1.15mであるので床から1.892-1.15=0.742m(74.2cm)に重心があると脱線します。重心が床から30cmが74.2cmなるだけで脱線の条件を満たします。
(電車が急に曲がると電車の床で受けていた人間の質量が吊革に移動します。)
4、重心を高くする乗客90人と車両の条件
207系先頭車両クハの自重26トンの重心は1.45mにあるとする。(事故直後の転覆速度の133km/hは乗客が乗っていない計算と思われる。)この車両に立ち客約90人が吊革1.7mに6トン有り、 (定員150人,平均体重66.7kg)東西線乗り入れのための2パンタ追加で屋根に0.5×2トンを4mに装備した 場合。
((1.15+1.7)×6+1.45×26+1×4)/6+26+1=1.78m
全体の車両重心は1.78mで床より63cmになります。
5、重心の左右移動の影響
曲がりで乗客は曲がりの外側に移動します、空気ばねも超過速度では外側に撓みます。
この重心のずれ量が10cm程度あると、
重心を外側へ10cmずらしただけで、108Km/hで転覆するとWebサイトで計算されています。
急に曲がると重心は上と外に移動して式(1)より低い100km/h程度
の速度でも転覆するのです。
6、JR西日本はこのことは知っていたのです。
そのわけ
1) 試運転で使用した最初の車両は103系→221系(空気ばね)→207系(空気ばね)と重心の低い車両から行いました。
2) 新しく導入する321系の先頭車両に電動機10トンをつけて重心を下げました。
3) 空気ばねも重心移動を起こしやすいのでダンパの強化をしている。
JR西日本は運転手を悪者にしてこっそり対応していると事故を繰り返しますよ。
4) 危険なカーブを作ったこと、そのカーブですれ違いをするダイヤにしていること。
5) 運転手だけが電車を停止すること。安全装置は運転手が解除できること。
6) 運転手、車掌が乗客の声を聞けるように窓を開いて。
7) 運転手の姿を車内でモニターして非常ブレーキを押せるサービスを。
8) 運転手の技量が不明なこと。
9) 駅の転轍機を高速で侵入すると何処でも同じ転覆が起ります。
7、事故を防止には、車掌が第二の運転手になることです。運転手が危険な運転をした場合非常ブレーキを使うことです。運転席もカギを掛けず最前列の人は運転手を監視して異常であるなら非常停止するシステムにすることです。
自分の命を防御できる選択支をお客様に与えてください。危ない車両、危ない運転手、危ない車掌に乗り合わせたら運が悪かったの今のJR西日本は乗客を乗せたハイジャック電車です。
運転手の居眠りを乗客が起こせない乗客と運転手の連帯感不足のJR西日本なのです。