エッヘン

2006年 04月 08日 の記事 (1件)


電動スクーターの安全性
実施の理由
 「電動スクーター」は、道路交通法上原動機付自転車に該当するため、市区町村での登録や自賠責保険へ加入の上、公道を走行するものである。電動スクーターは電動キックスケーターなどと呼ばれることもあるが、これらに関する相談情報をPIO-NET(全国消費生活情報ネットワーク・システム)で調べると76件で、そのほとんどが2002年度に寄せられている。また、危害・危険の情報は5件で、「突然前輪がロックした」等の事例が見られる。その他、これらによる交通事故が一昨年1月から昨年9月末までに23件発生し、増加傾向にある(2002年12月 警察庁交通局発表)。
 そこで、「公道の走行が可能」とうたっている電動スクーターについて、道路運送車両法で規定する、ブレーキ、前照灯、後写鏡等が装備され、それらが適正なものかどうか調べた。また、制動性能や、坂道での発進、静止といった走行上の安全性に問題がないか調べた。そのほか、この商品の用途について適切な表示がなされて販売されているかどうか調査を行い消費者に情報を提供する。

結果・現状
 「公道の走行が可能」と表示の電動スクーター4銘柄に、保安基準適合の型式認定品1銘柄を加えた5銘柄をテスト対象とした。公道の走行には道路運送車両の保安基準に定めたブレーキや灯火類等を装備する必要があるが、参考品を除き、不備のものや装備に問題があるため、表示どおり公道の走行が可能なものはなかった。また、最高速度での制動距離は3.5〜6.6mで、型式認定品の2.7mより長く、制動力は弱かった。その他、車輪径が小さい、ハンドル幅が狭い等から段差や凹凸を通過する際の安定性は低かった。上り坂(8度)で発進できないもの(2銘柄)やブレーキで静止できないものがあった(3銘柄)。型式認定品は発進、静止ともに問題はなかった。組立部品や構造部品に不適切なものがあったほか、車体やバッテリーの耐久性に問題のある銘柄もあった。

問題点
 「公道の走行が可能」と表示されているにもかかわらず、参考品を除き、いずれも道路運送車両の保安基準で定めた装備等を有しておらず、公道を走行できるものではなかった。早急に車両、又は表示を改善する必要があった。また、組み立て部品や構造部品が不適切なものがあったほか、車体やバッテリーの耐久性に問題のある銘柄もあったので改善が必要であった。

業界の意見 −たしかな目 2003年9月号より−
山真製鋸より
 今回の商品テストに使われたものは古いタイプのモデルです。現在(ことし春ごろから)不備な点を改善したものを販売しております。
 山真製鋸(株) 営業開発部 部長 山本剛
商品テスト部の見解
 インターネットでは、6月時点でも同様の内容で販売されていました。仕様・型式の変更をしたときは、消費者にわかるよう表示して販売して下さい。
ニシハラプロダクツより
 方向指示器・制動灯・尾灯・両ブレーキについては、20km/h未満の車両は装備の義務がないため、該当条項を満たした製品として製造販売しておりましたが、ご指摘いただいた点につきまして厳粛に受け止め、早急な対応・処置をとってまいります。販売済みのものにつきましても、Web上で対応方法を発表させていただきます。
 組み立て方法・取扱方法など冊子類は、当初より日本語のものを添付してあり、購入後の修理・サポートにつきましても、万全を期しております。また、現行モデルのNOAA CAFEは、すでに両ブレーキを装備しています。
 (株)ニシハラプロダクツ 代表取締役 西原基成
商品テスト部の見解
 原動機付自転車は保安基準において、各種装備やその性能が定められており順守しなければなりません。ブレーキについては最高速度にかかわらず、前輪および後輪にブレーキの装着が義務付けられています。
 なお、最高速度20km/h未満の原動機付自転車には尾灯、制動灯、方向指示器などを備えることは義務づけられていませんが、装備している場合には定められた性能を満たさなければなりません。
2006 04/08 21:27:20 | 何故の解明 | Comment(0)
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