私は用を足したくなって、二人分に仕切られた公衆便所を見つけた。ドアの一つには鍵が掛かっていたので、空いている方に入り、腰を降ろした。
隣から声が掛かった。「こんにちは、景気はどうですか」
ちょっと場違いな感じもしたが、失礼のないようにと思って返事をした。「ありがとう、まあまあってとこです」
ひと呼吸間があって、また声が掛かった。「そうですか、何をおやりになっていますか?」
仕方なく私も返事を返した。「急いで用を足しているところですが……そういうあなたはどうなんですか?」
この後、彼が言ったことは……
「申し訳ない、君、僕のほうからまた後で電話するから。隣のトイレに入っているおかしな奴が、僕の言うことに一々返事をするんだよ」
白銀の世界になってない大阪より、メリークリスマス!