エッヘン

2006年 02月 25日 の記事 (1件)


一般常識の拡大
1、キラルな形とは?
鏡に映った自分の顔は、もとの自分と同じだろうか?まったく左右対象な人でないかぎり同じにはならない。すべての物の形というものは、鏡に映した形(これを鏡像とよぶ)がもとの形と同じになる(合同になる)ものと、同じにならないものに分類することができる。同じになる形を「アキラル」といい、同じにならない形を「キラル」という。また、このキラルの性質を「キラリティ」とよぶ。螺旋やメビウスの輪などは典型的なキラルな形の例として知られている。たしかに左右の手は互いに鏡像の関係にあり、かつ合同にはならない。
2、いろいろな「キラリテイ」
私達の身近にあるものの形をキラルとアキラルに分類することができる。ゴルフクラブ、ハサミ、急須、靴、時計などはキラルである。通常のアナログ時計の鏡像に相当する時計を考えると、針の回る方向も文字盤も逆となってしまうが、最近この「逆の時計」を売っているのを見かけて驚いたことがある。遊び心の妙といえる。右回りの風車と左回りの風車などもお互いに鏡像の関係で、いずれもキラルということができる。これに対し、鉛筆、ボールペン、うちわ、野球などのボールなどは、形としてはアキラルである。
身の回りの道具やシステムのうち右利き用具、左利き用具を各々右キラル、左キラルと名づけ、左右で共用できる度合いをアキラル度というもので評価するという試みが、種々の問題提議とともにホームページで紹介されている。キラル、アキラルの定義の意味のある拡張であり、ものづくりに関係する者にとっても大変勉強になるアイデアといえる。また、生体分子などの有機物質の分子の多くはキラル構造をもち、鏡像関係にある左右2通りのキラル分子(鏡像異性体分子という)が存在することがある。そしてどういうものか、分子式は同じでも一方が薬で他方が毒、あるいは、一方が甘味料で他方が苦い味といったことが有り得る。さらに生体を構成するタンパク質は特殊な例を除いて、なぜか片方のタイプのキラル分子(アミノ酸)のみから成ることが知られている。どうもこの鏡像関係にある左右2通りのキラル分子の区別は、とりわけ生物にとって重要なものなのかもしれない。
昨年、名古屋大学の野依良治教授は、これに関する研究でノーベル化学賞を受賞された。このほか、物理学、建築などの分野においても、キラルという用語がみられる。

よくわからないね・・・
2006 02/25 23:07:04 | 何故の解明 | Comment(0)
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