エッヘン

2006年 07月 10日 の記事 (1件)


並四ラジオ
この名前を知ってる人は第二次世界大戦の頃の知識をお持ちです。戦争後にGHQがこのラジオを禁止しましたので終戦以前のラジオなのです。
並というのは,安い意味で真空管ラジオでは三極管が並なのです、市販されているものは、電波の入り口が五極管になりその後の2本の増幅管が三極となっているのが実用になっています。残りの1本は整流管です。
並四が一般ですが、並三と並五もありますが、価格、感度と音量で並四が普及しました、数軒に1台程度。
アンテナからの電波をコイルで同調する時、出力を正帰還して発振状態の寸前を使って感度を上げる方式です。このため、GHQが妨害電波を出す並四方式のラジオを禁止したのです。
この当時のスピーカはマグネチックSPで現在のダイナミックSPとは原理が異なります。ダイナミックSPはスピーカコーンにコイルを数十回巻いたものに磁石の界磁環境で電流を流して振動させます、このためOTPトランスが必要です、一方マグネチックSPは磁片にコイルを巻き付け磁石の界磁環境で電流を流して振動させます、磁極同士の反発、吸引で可動磁片が振動しコーンに伝達します。
このため、マグネチックSPは金属伝達の甲高い音になり、ダイナミックSPは銅線の制動が少ない柔らかな音になります。
並の発振と、スピーカの原理の違いを話して着ました、これ以外に、節約精神が並四からわかります。トランスの両側に真空管を配置し、中央にバリコンを置いて直結で操作します、動きを拡大する円盤があり操作方向を逆にしますが、バリコン糸より操作感触は優れます。並四ラジオは選局のツマミが他のツマミと違い中央の上の△の頂点の位置にあります、5球スーパと較べ小形で軽いのが特徴です。
1kmの位置に毎日放送のアンテナがある私の家では、ダイアルの広い範囲で受信し音量が大きく、超再生バリコンで音量を下げることができなく、同調をずらしたり、アンテナ線を短くして音量を下げています。
茶色く変色したセルロイドのダイアル窓から背面照明の文字盤が光ります。木箱の両側は内側削りの曲げがなされ、一枚板で側面まで続いています。
FMなしステレオなしで数局しかはいらない並四ラジオでも何の不足も感じさせないでラジオを楽しませてくれます。機能に走らないで、ぬくもりを感じる立ち上がり時間と切れていくさよならの時間は今のラジオに無いものです。

この終戦前のラジオが聞けるようになりました。ふふふ
2006 07/10 21:08:15 | 何故の解明 | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー