エッヘン

2006年 07月 31日 の記事 (1件)


静かな最期を

ラジオ受信機は寿命のあるコンデンサを内部に使用しています、古いコンデンサの劣化で出力管のグリッドの漏れ電流が増えグリッドに高い電圧がかかります、このためプレート電流が大きくなり出力トランスが断線します。五極管のプレートに電圧が無くなるとスクリーングリッドに電気が流れ出力管が壊れてB電流が続流して電源トランスが加熱して焼損します。使用中に音量が減ったりハム音が出たり、フューズが切れる警報が起ります。
出力トランスが切れると音が出なくなりますので、ここで電源を切れば被害は最小です。実際は、静かな最期を気がつかないで適切なフューズで無い場合は電源トランスの焼損まで進み断線して復活できない致命傷になって終結します。
電解コンデンサが寿命で破裂すると言われますが、実際には結合コンデンサの漏れ電流の増加の方が早く出力管の周りを断線して使用できない状態になり製品として静かな最期を迎えています。
結合コンデンサをフイルムにして修復した場合第二の最期は電解コンデンサになります、この場合徐々に進行していき、大きなハム音を発してラジオとして使えなくなってから電解コンデンサの内部圧力で安全弁が開き蒸気を噴出させます。
電源を差し込んでいると危ないような書き込みがあります。劣化した電源コードや貫通部のゴム、フューズの交換を行い絶縁抵抗の低いファイバを使った電源スイッチ、フューズホルダを交換して20MΩ以上にすることによって発煙や火災といった最期を防ぐことができます。
これから雷サージや絶縁劣化の環境にさらされます、製造物責任と賠償が議論されないPSEですが、使用者は長年使用しているのですから、日頃から異状がないか気を配ることはもとより、きちんとした清掃点検を受け自己責任で安心安全を守りましょう。
並四ラジオはマグネットスピーカの断線と整流管のヒータ回路の断線で静かな最期を迎えます。
5球スーパST管は出力トランス、出管、電源トランスの断線で静かな最期を迎えます。
埃は1cm厚みに溜まっていてもコンデンサのロウが解けて石筍を作っても発煙、発火の形跡はありません。フューズが適切でなくてもトランスが断線することが安全弁になっています。
人間も人に迷惑をかけない 静かな最期を迎えたいですね。
2006 07/31 20:52:35 | 何故の解明 | Comment(0)
Powerd by バンコム ブログ バニー