エッヘン

2006年 12月 13日 の記事 (1件)


ものつくりの人の資質
防衛技術協会の幸島博美さんの“ものつくりへの心理学の応用”によると研究開発に従事する仕事ではタイムリーに具体的な成果を求められ、それが相応の効果を発揮しないことには、貢献も存在も認められない。
金銭に換算して評価できる仕事をしなければならないとし、その仕事に向く性格を“内向的で耐性”があるのが良いとしています。
外向的傾向の人は、“ものつくり”の各段階でやたら理屈をこねるが、いざ実行の段階になると何も生み出せない。内向的な人は、各段階の結果に対する道筋を先読みすることで一方の意見だけでなく道筋を読むことをします。これが“耐性=事に耐える力=忍耐”であり、“このように創りたい”という要請のために受け入れる妥協を持っているとしています。
次に“無邪気な好奇心”も大切な資質とし、世の中に繰り広げるあらゆる事象に素直に興味を持ち、“なんでも見てやろう”の子供の頃の好奇心が大切であると述べています。
歳をとると経験や知識から分別ある行動を選びますがそれは底の浅い知識であり間違っていることがあります。
子供に“なぜ信号が赤いの?”と尋ねられて、大人の立場で“危ないのは赤い”と説明していませんか?
無邪気な好奇心に忍耐で答えると、
「私たちの目の網膜には、外から入る光を受け取る、錐体(すいたい)細胞と桿体(かんたい)細胞、と呼ばれる細胞があります。錐体細胞は主に昼間、明るい場所ではたらき、桿体細胞は暗い場所ではたらいて光を感じます。
一言に光といっても、光には波長があり、その波長の長さによって色が異なって見えます。例えば、紫や青に近い色の光は波長が短く、赤色に近い色の光は波長が長くなります。
錐体細胞は、もともと明るい光の下で色を識別する役割を持っているため、どんな色の光も鮮やかに見ることができますが、中でも色の波長が比較的長い、赤色に近い色に対して感度が高まります。逆に弱い光の明るさを判別する役割を持っている桿体細胞は、波長の長い光は受け取ることができず、波長の比較的短い光(青色〜青緑色)の感度が高まります。
パトカーのランプは暗いヨーロッパでは青色を使い、明るい日本等は赤色を使うのがこの例です。」
となります。
時間がない、面倒くさい、即答できない、等の行動がブレーキをかけて情緒的な答えに置き換えて答えています。
動物心理学では“行動は心の結果”でありますが、大人(上司)の権威思考が“ものつくり”の“無邪気な好奇心”とは異なる立場で意見を出し、自分の得意な領域に誘導して権威の傘の下に逃げ込みます。
“一度心の衣を脱いで、直面する問題へ立ち向かい、敢えて火中の栗を拾う気概が必要であるとしています。
又、集団では、相互の影響力が重要であり、気に入ったもの同志が群がったのでは外に広がらないとし、外界との交流が必要と述べています。
最後に、ものつくりの資質として“地味な努力の継続と広い視野、見当識を保持”としています。
“見当識の保持”は精神医学用語のバランス感覚で
  周囲との関係において、今の自分の立場というものを充分に自覚でき、それに沿って行動でき、他を傷つけることもなく、かといって迎合するでもなく、時にユーモラスに、全体の進行にも配慮する。
と締めくくっています。
私も全く同感です、さらにつけ加えるなら無邪気の好奇心を満たす赤色の答えの例で、世界の地理、人種、気候、標識の色、植物、動物の色、TVの色、遮断器の銘板の色、電線の色、色温度、放射温度へと展開していきます。分野を超えた色の世界へと進みます。決して、理科、絵画とかの分野別ではないのです、全て関連し、色でまだ食べられない?腐っているか?緑は植物に要らない色だとか?犬は色を識別できないとか?とか“いもずる好奇心”が出てきます。
無邪気な好奇心(疑問入り口)に答えるのが人の資質を磨くことになり、会話も魅力的になります。関係ないと思われることもつながりがあります。たくさんの好奇心に答える資質を持つことが研究開発の必要条件です。
2006 12/13 21:00:22 | 何故の解明 | Comment(0)
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