エッヘン
羽田空港の管制システムダウンの原因

1、概要
電源は2系統の商用周波電源の受電とそれを各々バックアップする非常発電機で構成されています、その下に系統切換の遮断器があり、枝回路でCVCF(UPS)がバックアップしています。
A商用周波電源の解離ではB商用周波電源に切り替わり、A,B商用周波電源の解離ではA非常発電機及びB非常発電機で4重にバックアップして、切換の瞬間の電源喪失には(30分程度)は2台のCVCFが行います。
今回の停電の原因は、CVCFへ繋がる遮断器の取り替えを行い、工事終了してCVCFの並列接続を開始した時、商用周波電源の遮断器がトリップしたことにあります。CVCF切り離しによる警報を発生したままの状態での商用周波電源の供給が断たれたことを気が付かないでCVCF回路からの電力供給を行い50分経過後にCVCFのバテリーが無くなって停電したものであります。
遮断器の取り替え工事の現場は、取り替えてCVCFを並列運転に移行しても他の回路に影響を及ぼすと予想していないこと、制御室は警報が出たままの状態で遮断器がトリップしたことを監視装置の異常と判断したこと、現場は作業の完了を連絡しなかったことにあります。
このシステムの欠点は監視機能が供給機能(バックアップ機能)と共用しているため工事を監視できないことにあります。トリップした遮断器より上位の4重の停電バックアップシステムは役に立たないことは当然です。電源が供給されていると異常と感じない人間心理もこの事故の背景にあります。
(CVCFは日立?のもので日立の遮断器?CVCFの突入電流でのトリップ?)


2、各社の新聞記事
羽田空港の管制システムがダウンし空のダイヤが混乱した停電トラブルで、停電の原因となった配電障害による非常用バッテリーへの切り替えが、当時行われたブレーカー交換工事の終了と同時に起きていたことが3日、国土交通省の調査で分かった。同省は、工事が配電障害を引き起こした可能性が高いとみて調べている。
 工事が終了し電源の監視装置が復旧、非常用バッテリーへの切り替え警告が正常に表示されるようになったのに、工事関係者が監視員への連絡を怠ったため、監視員は誤表示と思い込んで対応せずバッテリーが容量を使い果たして停電したことも分かった。
 国交省の岩崎貞二航空局長は記者会見し「工事のやり方や連絡体制に不備があった。空の安全を提供する使命を果たせなかったことをおわびしたい」と謝罪した。
羽田空港の管制システムがダウンし空のダイヤが混乱、8万人以上に影響が出た停電トラブルで、国土交通省東京空港事務所は3日未明、緊急措置で復旧させた電気配線を本来の回路につなぎ直し、通常での運用を再開した。

停電を避ける「無停電電源装置」(CVCF)に異常がなかったことが確認できたとしている。

停電は空港事務所の電気系統配線での障害がきっかけ。非常用バッテリーに切り替わったが、警告表示で知らせる監視装置が正常に機能しておらず、職員が気付かずバッテリーがダウンした。


事故は5つのミスが重なって起こります。油断大敵
2005 11/21 21:20:40 | 何故の解明 | Comment(0)
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