PSE耐電圧試験機
古い電気製品を再販する場合は、今後長く使用しても大丈夫な性能を確認する必要があります。
その試験に耐電圧試験があり、絶縁性の劣化を判断する絶縁抵抗試験の形式試験に相当します。
耐圧試験は１０００Vの商用周波電圧を１分間印加して漏れ電流が10mAを超えない試験です。
絶縁抵抗では１MΩに相当すると思われます。

確認事項
１、 電気を印加しても安全である出荷試験が絶縁抵抗試験です。
絶縁抵抗計（メガー）でDC５００Vで直流抵抗を電源線と人が触る外郭の間を測定します。
電気用品安全法　別表第八　（94の４）　ラジオ受信機
ロ　絶縁抵抗　　附表第三１、　基礎絶縁１MΩ以上のこと　（二重絶縁が３、付加が２、基礎が１）

　　　　　　　　　　 附表第三１、 １０００V連続１分間　（絶縁変圧器ではないので１００V扱い）
　　（別表第四絶縁性能試験　１、DC500Vで　１MΩ　２、１０００V耐圧）
２、 １０００V耐電圧試験は絶縁性能の形式試験です、再販される場合には必要となります。
絶縁抵抗試験で安定して数十MΩ以上であれば合格するのが１０００V耐電圧試験です。
　　
３、 その他の電気安全性能
電気用品のマークの無い古い電気製品は、外郭からの指の侵入や、外郭への外力に対する防御性能が不十分です。
１、 現在禁止されている可燃性のセルロイド材が表示部に使われています。火気の傍では危険です。
２、 ２５０ｇｒの硬球を２０ｃｍの高さから落下した強度が古いガラスを使用した表示部や、背面の蓋の穴にありません。真空管に当たり割れます。
３、 電線を１０ｋｇで引っ張ると抜けてきます。コードを引っ掛けると事故になります。
４、 裏の蓋穴から指が入り充電部に触れることができ、危険です。
このように、昔のラジオは現在の安全基準を満たしていません。

この対策としての言い分け確認を経済産業省は要望しています。（下線は要望文を転記）
製品を販売する際には、「ＰＳＥマークが付されていない電気用品であり、取り扱いに慣れた者に販売する」旨を顧客が理解できるように説明し、その顧客が「取り扱いに慣れた者」であることを確認して下さい。

又、古い電気製品の再販には次の注意を提示しています。

電気製品は安全のイメージで販売されていますが、潜在的には危険性のあるものです。

　　使い方を誤ったり、製品に少しでも欠陥が有れば住宅を燃やしたり、感電により人命
　を奪うこともある、極めて危険性の高いものと言えます。

　　電気製品の多くは、過熱や発火しやすい部分が器体に覆われ、消費者は発火や感電の
　危険性を認識しないままに使用しています。

　　事故の大部分は、消費者の誤使用や不適切な保管などに起因するかと思われますが、
　現実的には、電気製品のもつ宿命的な危険性により、火災事故や感電事故が数多く発生
　しています。

　　日本の品質管理は世界的にも優れていることは、よく知られていますが、品質管理が
　良くできていることと、安全な製品は必ずしも一致しません。

　　家庭で使われる場合は、ホコリや湿気、振動や乱暴な扱い等の過酷な条件下で長期間
　使われたり、長期間物置に放置されていて、１０年以上もたってから突然使われる等、
　我々としては予測し得ない、愚かと思える使い方も多々あります。

　　また、高齢者が増えていますが、これ等の方々は五感の機能が著しく衰えており、不
　注意以前の問題をかかえて電気製品を扱う場面が極めて多いわけです。

　　これ等のことを踏まえて、使う側の習性や環境を考えた、安全な製品を提供していく
ことが大切ではないかと思います。

そこで、当方は、出来る限り古い製品に安全対策を追加することにしました。外観を損なうガラスやセルロイドの変更は致しませんが、充電部の保護や、蓋の外れ防止を積極的に行いました。
絶縁抵抗は２０MΩ以上
耐電圧１０００V10mA1分間の試験を実施
外郭保護はIECのIP-20（指での接触保護）のレベルに向上しました。

以上を満たし初期不良を少なくするため24時間の連続動作試験を行っています。