だんじり祭り “やりまわし”は曲がり角をだんじりが はしり曲がる技です。4~6トンものだんじりは引き手の綱と後ろ梃子、前梃子の制御で曲がります。 曲がり角手前に停止線があり一旦停止してから掛け声とともにやりまわしをするわけですが、前輪が進行方向に向きませんので後ろ輪をスリップさせて回ることになります。前輪は車輪と地面の間に梃子をかまして、制動をかけ右に曲がる場合、右前輪をロックさせて、これを中心に後ろをスライドさせるわけです。 そのため 後ろには棒とそれから伸びる綱があり、この後ろ梃子が右回りでは重要なスライドをコントロールするのですが、速度が速いと外に引っ張りながら振り回されるとこになり、これが回り過ぎを起します。90°以上に回り、逆に後ろ梃子が追いつかないで、回せないと外に膨らんで曲がれません。 前方で綱が引かれると、直角曲がりしている綱は、内側に引かれ曲がれません、一定速度で加速せずに惰性で曲がるのが綱の内側に引く力も少なく上手く曲がれるわけです。 しかし、曲がり角の手前で一旦停止しますので、加速に綱が大きく振られやりまわしを困難にしています。 曲がる前に一定の速度に制御して綱に力をかけずに後ろ梃子、前梃子が制御するのが賢い制御です。 雨でやりまわしの車輪の削れが路面に残るとスリップが増え、回りすぎが起ります。一旦曲がり過ぎると後ろ梃子が追いついていないため回復できません。速度を落として、後ろ梃子が回復して修正できます。 だんじりには、安全のため4輪に油圧ディスクブレーキが装備されています。速度の制御にも使われますが少々のぶつかりには 使わないようです。 だんじりの大型化がやりまわしの技を面白く無くしているのは確かです。見栄えで大型化するとだんじりに振り回されることになります。 綱の駆動力、前梃子の前輪の個別ブレーキ、後ろ梃子のスライドが一体になって綺麗に早く曲がるのです。屋根の大工方に目が行きますが実はチームワークのスライドターンなのです。 路面のすべり具合で速度を調整しスライドターンを限界速度で決めるのが人間だんじりF1なのです。一度知識をもってから見ると面白さが100倍とりこになります。京都の山車が竹を曲がり角にひいてその上をスライドさせるのや、高山の山車が第5車輪で曲がるのとは曲がり方がちがうのです。
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