番傘 洋風のこうもり傘が普及するまでは、質素な和紙に加熱した油を塗った竹製の番傘と、おしゃれな細見の糸飾りのついた蛇の目傘が使われていました。 和傘は昭和の初期にこうもり傘が入ってくるまで使われ、番傘は握りの反対側に輪の金具がありここを引っ掛けることでぶら下げて保管しました、今の洋傘とは逆の向きです。半開きで固定することが出来、陰干しで乾かす時に半開にします。各家の庭には傘の柄を差し込む凹みがありそこに差し込んで傘を干しました。 学校に行くと傘立ての枠と穴が窓の外にありここに差込ました。雨では濡れて、晴れたら乾く番傘立てでした。雨が油紙に当たると太鼓の中のように大きな音がして会話ができません、簡単に破れますので修復の紙を貼った傘が当たり前でした。傘の頭にはペンキで名前が書かれています。持つ柄にも竹を削って名前が彫られます。傘は貴重な生活道具で、遊びに行っても傘なしで帰るのが普通の出来事です。また、雨宿りで道草を取るのも普通の生活なのです。
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