エッヘン
なぜ蚊取線香で蚊が死ぬの?人間には?

除虫菊(シロバナムシヨケギク)の花に含まれているピレトリンという成分は、殺虫効果を持っています。そのピレトリンを化学的に合成したものがピレスロイドと呼ばれており、蚊取線香の中にはこのピレスロイドが含まれています。蚊取線香は、ピレスロイドを粕粉や木粉などの植物成分に混合し、燃やすことによって有効成分のピレスロイドを極細微粒子として空気中に浮遊させ、長時間殺虫効果を維持できるようにしたものです。燃焼部分の温度は約700℃で、ピレスロイドは先端から6〜8mmの部分(約200℃)から揮散し、かなりの時間空中に浮かんでいます。従って、どのようなせまいすき間にも届き、タンスのうしろや部屋の隅に潜んでいる蚊を殺すことができるのです。殺虫剤が虫の体内に入る方法として、食物とともに口から、体表(皮フ)から、呼吸をする気門からの三つのルートがあり、虫の体内に入った殺虫剤は呼吸を止めるか、神経を攻撃して虫を殺します。
ピレスロイド系の殺虫剤は、その中でも虫の体表(皮フ)から体内に入り、神経を攻撃して虫を興奮させ、やがてケイレンを起こしマヒ状態となって死んでいくのです。しかし、虫にはよく効くピレスロイドも、人間や温血動物に対しては体の中で速やかに分解し、無毒化され、体外に排出されてしまうので安全です。これは温血動物が持っている酵素の働きによるもので、昆虫ではこの働きが弱いため殺虫効果が発揮されるのです。このような毒性を選択毒性といいます。この選択性を持っているのはピレスロイドだけで、(有機リン系や有機塩素系の殺虫剤は選択性がないので、温血動物の体内で分解されにくく、毒性がピレスロイドよりも高くなります。)このような働きをするピレスロイドを含んだ蚊取線香は、燃焼時間中絶えず一定の有効成分を空中に連続的に放出して、殺虫効果を保持しているのです。

1月24日火曜日の東京浅草寺の”犬のおまわりさん”です。自転車の後ろに乗ってポーズ
2006 01/29 07:34:18 | 何故の解明 | Comment(0)
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